Webを支える技術要点まとめ

Webの基本とRESTの考え方をわかりやすく解説

Webは単なる「ホームページ表示の仕組み」にとどまらず、ユーザーインターフェースやAPIとしても使われています。本記事では、Webの基礎技術と、REST(Representational State Transfer)というWebアーキテクチャの考え方をわかりやすく解説します。

Webの主な用途

  • Webサイト:HTMLやCSSを使った従来の情報提供型のページ。
  • ユーザインタフェースとしてのWeb:フォームやボタンなどを備えたWebアプリの画面。
  • プログラム用APIとしてのWeb:人間ではなくソフトウェアが通信するための仕組み(例:JSON API)。

Webを支える基本技術

  • HTTP(Hypertext Transfer Protocol):Webで情報をやり取りする通信プロトコル。
  • URI(Uniform Resource Identifier):Web上の情報に一意な名前を与える識別子。
  • HTML(HyperText Markup Language):Webページの構造を記述するための言語。

RESTとは何か?

RESTは、HTTPを活用した分散システムの設計スタイルです。単なるハイパーテキストの転送にとどまらず、「リソースの状態の表現(Representation of Resource State)」をやり取りするという考えに基づいています。

アーキテクチャスタイルとは?

複数のシステムに共通する設計の流儀を抽象化したものです。例として、以下があります:

  • MVC(Model-View-Controller)
  • パイプ&フィルタ(Pipe and Filter)
  • イベント駆動型(Event System)

RESTもその一種であり、ネットワークベースのシステムに適用されます。

アーキテクチャとその階層

  • 実装レベル:Apache、Chromeなどのソフトウェア
  • アーキテクチャ:ブラウザやWebサーバなどの構成
  • アーキテクチャスタイル:REST、クライアント/サーバなどの設計指針

RESTを構成する6つのアーキテクチャスタイル

  1. クライアント/サーバ:UIとデータ処理を分離する
  2. ステートレスサーバ:サーバ側は状態を保持しない
  3. キャッシュ:クライアント側で結果を再利用する
  4. 統一インタフェース:HTTPメソッドに限定して操作を行う
  5. 階層化システム:中継サーバを挟んでも透過的に動作する
  6. コードオンデマンド(任意):クライアントでコードを動的に実行

※すべてを厳密に満たす必要はなく、システムの要件に合わせて必要可否を判断する必要があります。

リソースとURIの重要性

RESTでは、Web上のあらゆる情報はリソースとして扱われ、URIによって一意に識別されます。

URIの特性

  • アドレス可能性:URIがリソースを指し示す能力
  • 不透明性:クライアントはURIの中身を解析しない
  • 複数URI:同じリソースに複数のURIが存在することもある

例:
http://example.com/today
http://example.com/2025-07-01
両方が「今日のデータ」を示す可能性があります。

URI設計のポイント

  • 言語やメソッド名をURIに含めない
  • セッションIDをURIに埋め込まない
  • 動詞ではなく名詞でリソースを表現する
  • URIの変更時はリダイレクトで対応する
  • 言語切り替えにはコンテントネゴシエーションを利用

HTTPの基礎とRESTとの関係

ステートレス vs ステートフル

  • ステートフル:サーバが状態を保持し、複雑でスケールしづらい
  • ステートレス:リクエストが独立しており、スケーラブルだが冗長

主なHTTPメソッド

メソッド用途
GETリソースの取得
POST子リソースの作成、データ送信
PUTリソースの作成・更新
DELETEリソースの削除
HEADメタ情報の取得
OPTIONS利用可能なメソッドの確認
TRACEループバック診断
CONNECTトンネル接続の確立(HTTPSなど)

まとめ

RESTは、HTTPの標準的な機能(メソッド、URI、ヘッダなど)を最大限に活用するシンプルで拡張性の高い設計思想です。API設計に携わる開発者にとって、RESTの理解は今や必須です。

今回紹介した基本的な考え方を押さえておけば、実践的なREST APIの設計にも自信をもって取り組めるはずです。

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